両刃の特徴 片刃の特徴

両刃の刃物は、刃の付き方がブレードの中心になります。
そのため、対象を真っ直ぐ捉えることが出来るので、ナイフとしてはビギナーにも扱いやすいと思います。

また、両刃は切る際に対象物を左右に押し広げるようにして、刃を食い込こませて進みます。
原理として一番、分かりやすいのは、斧や鉈などで行う薪割りじゃないでしょうか?

このように刃が深く入るとともに、切断している対象物が左右に押し広げられて、無駄な力をかけずに対象物を切断することができます。
そのため、両刃は切断、切り裂くといった用途に適した形状と言えるでしょう。

 

さて、片刃はというとブレードに対して左右どちらかにしか刃がついていないため、右なら右、左なら左にしか押し広げる力がかかりません。
そのため、切断等をする場合には有る程度の慣れが必要です。
ただし、片刃で対象物を切ると刃が付いていない方の切り口は真っ直ぐ直角に入るので、とても滑らかな仕上がりになります。

そのため、片刃は主に削る、削ぎ落とすといった用途に適しています
直角に且つ、まっすぐ滑らかに切る必要がある刃物として、カンナや彫刻等、あとは魚を下ろしたり、刺身などを切る柳葉包丁や出刃包丁は片刃に作られているのです。

ちなみに、同じ角度で刃を研ぐと、片刃の方が刃先が鋭角になるので、切れ味は片刃の方が勝りますが
刃先が分厚くなる分、両刃の方が耐久力は高いです。
また、片刃には利き腕があります。一般的にはあまり気になる類ではありませんが
私は刃物は左手で扱うため片刃の非常にネックな部分ではあります。

市場に出ている片刃の包丁などはほとんどが右利き用のため、なかなか片刃には手を出しません。
左利き用も通販などを使えばありますが、運が悪いと発注が来てからの生産のため、手元に届くまでかなりの時間をとられることもしばしば・・・。

ちなみに、両刃は左右対称に刃がついているため、利き腕という概念がありません。

 

両刃鉈と片刃鉈

前のページを見ていただくと分かりますが、不思議なことに、鉈には両刃と片刃の両方があります。
これは、同じ鉈ではありますが用途が違うためにこのような二つの種類が生まれました。

両刃の鉈は、その刃の耐久性や硬い対象物にも奥まで刃を食い込ませる特性を利用して、薪割りや木の幹を切断といった用途のためにつくられた鉈です。

一方、片刃の鉈は、その刃の切れ味や切った断面を滑らかにする特性を利用して、枝打ちや木の皮剥きといった用途でつくられました。

このように、同じ種類の刃物でも用途によって刃の付き方は変わってきます。
ナイフを選ぶ際には、自分はどのような用途に使うことが多いかなども考えて、その用途にあった刃の付き方のナイフを選ぶのも、自分に合ったナイフと出会う近道かもしれません。

 

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